暗号資産(仮想通貨)のコンセンサスアルゴリズムには合意方法という意味があります。
複数の種類がある中で「DPoS」という方法があります。
PoSと似ていますが、自身がマイニングをするのではなく「自分が投票して委任した承認者」が代わりにマイニング作業を行います。
今回はDPoSについて解説します。
DPoSとは
DPoS(Delegated Proof of Stake/デリゲート ブルーフ オブ ステーク)は、投票によって選ばれた承認者が取引の検証を行う方法です。
PoSと同じく通貨を保有する必用がありますが、DPoSは通貨を所有する人に投票する権利が与えられ、取引の検証を委任する承認者を投票で決めます。
通貨を保有している人に対して保有量に応じた投票権が割り当てられ、投票の結果によって取引の承認(ブロックチェーンにつなぐ)を委任します。
選ばれた上位100名以上の委任された承認者がマイニング作業を行い、得られたマイニング報酬は投票した人に分配されます。
PoSと同じく一定枚数の通貨を保有するなど初期投資はかかります。
ですがまだ価格が低い通貨でDPoSを採用している暗号資産を見つけたとします。
知名度がないうちに通貨を購入しておき、後々人気が出てきた際には既に一定の枚数を安い価格で購入できているので先取りできます。
DPoSを採用している暗号資産は
・LSK
・TRX
・EOS
など複数あります。
PoSや他のコンセンサスアルゴリズムとの違い
PoSとの違いは、投票により承認者が選ばれる仕組みになっていることです。
PoSは保有量を確保し、保有期間を満たした人が承認者として選ばれる確率が上がります。
DPoSは自らが承認者に選ばれるわけではなく承認者を選ぶ立場になり、委任した承認者が選ばれればマイニング報酬が手に入ります。
PoSでのマイニング作業はパソコンを起動し続け無ければいけなく、PoWほどではないですが電気代がかかります。
PoSのデメリットはDPoSなら委任した承認者がマイニングをしてくれるので、パソコンを起動し続ける必用なく報酬を得られます。
PoWはより早く正しい答えを出す人が報酬を得られるため、高度なパソコンが必用とされかなり高額な電気代もかかります。
PoSはPoWの問題を解決するために計算を必用とせず、通貨の保有量や保有期間を重要視しました。
ですがPoSは通貨をより多く保有できる、資金が豊富な投資家が有利になるデメリットがあります。
DPoSならPoWのように高額なパソコンや電気代を必用とせず、PoSと違い承認者を投票し報酬は分配になるなど工夫が施されています。
暗号資産はそういった課題を解決するために、PoIや今回のDPoSといった違う特徴のあるコンセンサスアルゴリズムを採用します。
ですがPoWが問題しかないわけではなく、DPoSにもデメリットはあります。
すべてにおいて完璧な仕組みは難しく、それぞれの仕組みに合った方法を模索/検討を続けることで暗号資産は成り立っていると考えています。
メリット
投票で選ばれた上位100名以上により取引の承認が行われるため、限られた人数による承認作業により取引のスピードを早められます。
デメリット
悪意のある大量に通貨を保有している人や承認者が結託した場合、不正行為が可能になってしまいます。
ただし不正を働くなどした承認者は、追放されるなど対処が施されています。
まとめ
DPoSのマイニングをする場合、投票権を得るためにはある程度の通貨を保有していなければいけません。
誰に投票するか選ぶ際に手数料がかかるなど、初期投資含めて資金が必要となる場合があります。
資金が豊富にあれば承認者を複数選ぶこともでき、その分報酬を得られる割合が増えるでしょう。