暗号資産(仮想通貨)のNEMについて調べると『PoI』というPoWなどと似た名前が出てくると思います。
PoIはコンセンサスアルゴリズムの1つです。
PoWとPoSが抱えた問題を解決する方法として新しく『重要度』が設定されています。
今回はPoIについて解説します。
PoIとは
PoI(Proof of Importance/ブルーフ オブ インポータンス)はNEMが導入したコンセンサスアルゴリズムで、経済活動に対する専念度を重要視した方法です。
日本語で訳すと重要性の証明という意味になります。
PoWなどで報酬を得ることを採掘/マイニングといいますが、PoIでは収穫/ハーベストと呼ばれてもいます。
報酬を得る方法はPoSと似ており、専用のウォレットに必用枚数分の通貨を入れて、承認されれば報酬が貰えます。
PoWのような高度なパソコンや高額な電気代は必用とせず、PoSに似ていますがPoIは取引した額や回数が重要視されます。
PoSでは報酬を得るため通貨を保有したまま売却せず、暗号資産の流動性を低くしてしまう可能性があります。
そうしないためにPoIは報酬を得る人を選ぶ条件として、取引量が組み込まれています。
保有量を確保し取引も多くした人に報酬が支払われるので、PoIを採用する通貨を持っている人は積極的に暗号資産の取引を行うようになると考えられています。
通貨の流動性が増して、取引が活発になり暗号資産の価値を高めてくれると期待できる方法がPoIです。
PoIの始め方
PoSと同じく一定枚数の通貨を購入します。
NEMの場合10.000XEMが必要となります。
1XEMの価格が25円前後の場合は25万円ほどになるので、初期投資にするとかなり高く感じますね。
ただ一時的に1XEMが80円ほどに上昇した時期もありましたし、そう考えると今はまだマシな状況かもしれません。
その後は専用ウォレットに通貨を預けるまでは同じですが、PoIでは2通りのやり方があります。
・ローカルハーベスト
自分のパソコンを起動したままハーベストを実行する方法です。
PoSと同様でパソコンを起動し続けなければハーベストが行えないので、ある程度電気代が必要となります。
・デリゲートハーベスト
デリゲート(委任)ハーベストは自分のパソコンをオフラインにした状態でも実行できる方法です。
この方法は他の人の高度なパソコンを利用してハーベストをするので、パソコンや電気代の負担が軽減されます。
ですがデリゲートハーベストは手数料を支払わなければならず、0.15XEMほど必要です。
専用ウォレットに預けたあとは重要度(保有量や取引回数、取引額など)を高めていき、承認されることを待ちましょう。
保有量や取引回数などから得られるスコアが1日ごとに加算されていき、一定の数値を超えた時点で報酬を得られます。
この一定の数値を超えるというのが判断しづらく、スコアを加算するために取引を継続しなければいけないなど報酬を得るには色々な工夫が必要となります。
実際にハーベストをする際はデータを取り、どのタイミングで報酬を得られたかなどチェックしておくといいでしょう。
専念度・重要度
PoWは高度なパソコンを用意して、いち早く計算を解いた人が報酬を得ることができます。
PoSは通貨を保有し、一定の期間専用ウォレットに預けることにより報酬を得られます。
PoWはパソコンのスペックや人数で報酬を得る人の割合が傾くため、PoSでは通貨を保有する量と期間に応じてランダムに報酬を得る人が決められます。
PoWの抱えた問題を解決するためにPoSがありますが、PoSは報酬目的に通貨を保有したままなので暗号資産の流動性が低くなってしまう可能性があります。
そのためPoIは、暗号資産の流動性を低くなることを防ぐ方法を取り入れています。
通貨を保有しなければいけないのはPoSと同様ですが、取引をして経済活動に専念しなければ報酬は得られません。
こうすることにより暗号資産が活発に取引され、その恩恵として専念ウォレットに預けた通貨が増えるようになっています。
通貨を購入し保有するだけでは活発な取引に発展せず、知名度を上げることや頻繁な取引による価格の上昇が期待できなくなります。
そのため保有量に加えて取引した額や回数を重要度にしています。
メリット
・流動性が増す
一定量の通貨を保有しなければならず、保有するだけでは報酬は得られないので、報酬を得るため頻繁に取引をする必用があります。
通貨を頻繁に取引をして売買しているので流動性が増し、結果的にその通貨の知名度や価格の上昇に期待ができます。
デメリット
・資金がある方が有利
他のコンセンサスアルゴリズムの方法よりも平等性を重視しているPoIですが、報酬を得るためにはある程度資金を必要とします。
PoIは富の偏在化を防ぐことも目的としていますが、保有量も報酬を得るためには必要なので資金の豊富さはアドバンテージとなるでしょう。
まとめ
まだPoIを採用している暗号資産は少ないのが現状です。
ですがこのやり方なら、普通に取引をしている内に報酬をもらえる可能性があります。
今はまだ通貨の価格が低いうちに一定枚数を購入しておくのもいいかもしれません。